認知症の介護について

・・・なぜ?に答えはありません

母のことを簡単に紹介するならば、「子煩悩で控えめな性格、我慢強く前向きで、いつも明るく振る舞っていた人」と言っておけば、私の兄妹から異論は出ないと思います。
そんな母は何よりも、厳格で頑固、真面目一徹な夫の意向を第一に考えて行動し、そんな夫を支えることを生き甲斐にしてきたような暮らしぶりでした。
不運にも出来の悪い子供達を産んでしまったために、我々兄妹から世間並みの幸福感を得られなかったであろうとは、一因である私が言うのも僭越ながら、察するに余りあるところです。

父母と同居していた私(独身)が、病状の変化を発症前から観察して来ましたので、必然と主体的に介護しなければならなくなりました。
介護していて強く感じたのは、認知症という病気は、罹患した本人の記憶が失われて行くほどに、近親者や介護人を一層強く苦しめるとても恐ろしい病気であると考えさせられたところです。
介護する人の意識や記憶にある病人の人格と、介護されている病人自身の意識が、その時々で通じ合えなくなってしまうので、介護を始めてからの関係だけを見ていても、情愛が深ければ 尚更強く虚無感や失敗への罪悪感などを感じてしまうことになるのではないかと思い至りました。

この記事に目を通される方の多くは、身内の認知症(の疑い)による変化で、介護に不安を感じているか、介護の経験をされた方であろうと思います。
2020年の厚生労働省予測によりますと、2025年には「65歳以上は5人に1人が認知症になる」と発表されております。
高齢になれば更に発病のリスクが高まります。発病した人ごとに性格や環境が違いますから、私の経験が、どれだけ認知症介護をされている方の参考になるかはわかりません。しかし、母の認知症の症状を目の当たりにして先の不安を感じたときに、何を信じてどう対処すればよいかの判断に大変迷うことになりました。
このホームページ開設の主な目的は、認知症患者の介護をする人の助けになることです。
まわりの経験談や書籍、ネット検索から得られる情報などを見くらべても、「アルツハイマー型認知症」の症状は、病状の発現スピードや、状態の順序にやや違いがあったとしても、ほぼ同じ経過をたどっているみたいに感じます。
そのうえで、この一つだけは、私が感じた介護する上での心得を、ぜひ覚えておいて頂きたいと願います。

それは、「自分の感情から決してつらく当たってはならない」と言う事です。

後に気がついて反省した様な場合でも、認知症の介護で失敗した場合、多少なりとも自分の心に傷を残してしまうものです。ましてや一時的な感情や、本人のためにと考えて『これくらい出来ていただろう』などとの思い込みで、態度や言葉に出してしまえば、なおさら大きなダメージとなることでしょう。
私が思うには、患者本人の意思表示と人格の一致を、介護者(観察者)がどう捉えているかによって変わってしまうように感じました。そして、本人との関係性に対する感情の大小が、自分の心についてしまった傷口の大きさに比例してしまうのだろうと思います。
母を認知症で通院させた初日、医師に教えられたのは、「アルツハイマー型認知症は新しい記憶から失われていく」という病気の症状です。そして通院時すでに次の症状は出ていましたが、その後、失見当識(どこにいるのかわからなくなってしまい、時間の感覚がなくなるなどで判断力が低下する)と言う症状などが出て来るみたいです。
身内の誰かが認知症の症状を発症してしまうと、完全な治療法方法が無い今は、本人が物事を予知して判断でき無くなってしまう事実を、嫌でも受け入れなければならなくなります。
認知症に罹患した本人が、痛い、つらい、苦しい、悲しい、さみしいなどの思いをさせてしまうのは、良くも悪くも介護(看護)する保護者の立場にある人に全てが委ねられてしまい、他の病気に無い苦しい状況に対峙する覚悟が必要となります。

介護は自分の自己満足

私共でお世話になった介護士さんたちは皆心優しい人達ばかりでした。だからこそその職に就かれているのでしょうけれど、その姿には、「身内でも無い人によくあれだけ献身的に対処できるものだ」と、まじかで現場を目にしていて、言葉にできないほどの感動を覚えてしまったほどです。
仕事とは言え、 人対ひとですから、割り切れないほど心情が近寄ってしまう場合などがあるかもしれません。そうなればなおさら辛い仕事になるのでは無いかと思います。
意思疎通の難しい認知症患者とのコミュニケーションで、何気ない小さな出来事でも、入所者の表情や健康状態が、日々なにがしかの心の傷となって、いずれ大きな負担となりそうに思えます。

老人の介護をする上で、認知症と認知症で無い場合では、相手の意識の有り様が違います。
介護をしていて何らかの事情か、失敗をしてしまって本人に謝る場面があったとしても、返ってくる返答の意味合いが全く違うものになってしまいます。
認知機能の低下が進むと、謝罪を受けつける本人が事態を認識しているのかさえ定かで無くなりますから、発信しているこちらの感情が消化され無くなってしまうように感じます。
怒っていても笑っていても、誰に対する感情なのかも分からなくなります。

母の介護をし始めてから私の出した一つの結論として、「少しでも多くの時間笑顔でいてくれたら、それを正解としよう」と心に決めて接する事にしました。

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私の感じた母の変化から、お恥ずかしい家庭事情を明かしつつ、仕出かしてしまった失敗や、施設や病院であった信じられないエピソードなどを脚色無くご紹介いたします。
色々な社会的問題点が含まれていると思います。
このホームページで一つでも誰かの役に立つことが有るならば、私のために辛い思いをした母が、私の心に付いてしまった傷を治してくれるのではないかと信じています。

もし、今現在で認知症の介護でお困りのことがあるならば、介護を必要とする方の症状を見極めて、医療機関や専門職の方、経験者からより多くの知識を入れることをお勧めします

Stay tuned 👷

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